乳がんの治療は手術によってがん細胞を取り除くことが基本ですが、手術によって局所のがんを取り除いても、全身に目に見えないがんが残ってしまい、数年後に再発(局所再発や遠隔転移)をすることがあります。そこで、術後には再発を抑えるため、薬物療法や放射線治療が行われます。
乳がんで行われる薬物療法は大きく分けて、ホルモン療法(内分泌療法)、抗HER2療法、抗がん剤治療(化学療法)の3つがあり、乳がんのサブタイプに応じて、これらのうち1つまたは複数を組み合わせて用います(図1)。
どの薬物療法を選択するかは、年齢やがんの大きさ、リンパ節転移の有無、ホルモン受容体やHER2の状態、がんの悪性度、がん細胞の遺伝子検査などから、乳がんが再発する可能性や薬剤の効果を予測し、その予測に基づいて決定されます。例えば、女性における乳がん全体の70%~80%を占めている*ホルモン受容体陽性の乳がんに対しては、ホルモン療法が有効です。
*参考情報: 日本乳癌学会の乳がん患者登録2011年次報告
乳がんの治療法にはどんな種類があるの?